大人になると雲梯(うんてい)ができなくなる理由
疑問?
小さい頃は、あんなにすいすい前に進めた雲梯ですが、大人になってからチャレンジしてみたことはありませんか?
やってみるとわかりますが、身体が重くて、1段、2段飛ばしはおろか、普通に前に進むことすら大変だと思います。
なんででしょうか?
答え!
身体の成長とともに、体重は体積に比例するため三乗で増えるが、それを支える筋力は筋肉の断面積に比例するため二乗で増えるから。(2乗3乗の法則)
解説
このように、相似な形状をした物体でも、代表長さの2乗に比例して変化する面積に関する物理量(今回は筋力[単位:m2])と、3乗に比例して変化する体積に関する物理量(今回は体重[単位:m3])があります。
グラフを描いてみると一目瞭然ですが、身長[m]が大きくなることで、筋力[m2]と体重[m3]の増加の仕方がこんなにも違うんです。
他にも、この2乗3乗の法則を使って以下のようなことが説明できます。
- 大型動物の大きさの限界…上記と全く同じ理由で、大きな体重を支えるにはそれだけ太い脚が必要となる。
- 船の大型化で輸送効率が高まる理由…船の寸法を大きくした場合、船の容積(荷物を積むことが出来るスペース)は3乗で増えるのに対し、船の表面積は2乗でしか増えない。船の受ける抵抗は主に表面積に対して働くから、当然抵抗もおよそ2乗の関係となる。抵抗の関係で燃料消費量が増えても、貨物の積載量がそれ以上の割合で増えるため、貨物量単位でみると燃料効率が向上する。